1. 業界の最新版を理解する

  • 警備業者数は1万811業者に拡大:2024年12月末時点で、4条認定事業者が10,811社に達し、前年から約1.3%増加。過去最多を更新しています
  • 売上高は約1兆9,180億円、前年比2.6%増:2022〜2024年で3年連続の増収傾向。利益率も前年から上昇し、8.3%と過去最高を記録
  • 業界構造は大手寡占が加速:セコムやALSOKの2社で売上全体の3割強を占めるなど、規模による二極化が進行中。一方、中小零細事業者は人手不足と価格競争により淘汰のリスクも

2. 新規参入の課題とチャンス

  • 最賃・単価上昇で人件費コスト化:2024年度の全国加重平均最低賃金は1,055円、東京では1,163円に上昇。2025年10月からの最低賃金改定に伴い、警備員の時給も上昇が見込まれている。交通誘導業務の単価も全国平均で約1.7万円〜1.96万円と高止まり中だが、価格転嫁が進む可能性も。
  • 人手不足は深刻な経営課題:警備員数はわずか0.5%増(58万7,848人)に留まり、高齢化が進んでいる
  • 技術革新で差別化の道も開く:AIによる画像解析、ドローン、映像誘導システムなどデジタル技術活用が進んでおり、効率化や価値提供の鍵に

3. 新規スタート時に重視すべき5つのポイント

人材戦略の構築

  • 地元での認知度向上、求人媒体選び、魅力ある求人原稿作成が成功の鍵
  • 定着促進の観点で 女性・高齢者活用の促進・配慮体制構築も重要です

適正価格と利益重視

  • 全警協が進める「価格転嫁の自主行動計画」を参照し、適正な警備料金を確保する仕組みづくりが必須
  • 競合に依存せず、信頼できる適正単価設定や契約交渉を意識
  • 全体的な警備員不足もあるため、過度の価格競争をせずに適正な積算と見積が重要

資格・研修体制の整備

  • 交通誘導の有資格者を増やすことで受注単価アップが見込めます
  • カラーハラスメント対策や応急対応など、安全・労務面の充実した研修体制を整備
  • eラーニングを併用した研修を実施し、求職者に負担が少ない研修体制を

DX導入で差別化

  • 映像解析AIやドローンを活用した警備技術で、差別化と運用効率化を両立
  • 営業提案時にAI警備・配車・報告の仕組みを提示し、信頼性と価値をアピール
  • 管理要員を減らす(販管費を減らす)べく、警備配置ソフトなどを活用

広報・差別化でブランド構築

  • SNSや地域イベント等でのPRなどブランド構築型の採用と地域連携が増加中
  • 「警備の日」やローカルイベントでの露出強化も効果的

4. スタートアップ・ローンチの実務ステップ(簡易チェックリスト)

ステップ内容
① 認定申請警備業法第4条に基づく認定申請(営業所設置など手続きを確認)
② 採用体制地元媒体、SNS活用、魅力的な職場環境構築
③ 価格設定適正価格ガイドラインの確認、運賃転嫁計画の策定
④ DX検討AI・映像システム等の導入費用 vs 効率性評価
⑤ 保険・安全体制賠償責任保険、研修・災害対応体制の整備
⑥ PR戦略地域イベント・SNS・女性・若手活用など広報施策

5. 参入前に知っておくべき最新視点

  • 倒産・休廃業は過去最多に:2024年は合計138件(前年比84%増)で、特に小規模事業者の人手不足・価格低迷が原因
  • 大手との差別化軸が必須:大手は大型案件や最新技術で規模を活かす一方、中小では nimble(機動性)と信頼性で競争優位を築く必要があります。

✅ まとめ

2024年、警備業者数が1万811社に増加し、業界全体は堅調に成長しています。とはいえ、人手不足、価格転嫁問題、技術革新による競争激化といった課題も明白です。

新規参入を目指すなら、①人材確保と定着、②適正価格の徹底、③資格・研修体制、④DX・技術導入、⑤広報・差別化戦略の5つポイントをしっかり押さえた上で、参入準備を進めましょう。

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増田良和
増田良和