〜行政書士法改正後(令和8年1月1日以降)は特に要注意〜


■はじめに

工事現場の交通誘導警備を受託した際に、施工会社から「道路使用許可申請もお願いしたい」と言われるケースは少なくありません。
しかし、警備会社が自社で申請書を作成・提出することは、行政書士法違反にあたる可能性が極めて高い行為です。

本記事では、東京都行政書士会からの見解をもとに、警備業者が注意すべき法的リスクと正しい対応方法を解説します。


■行政書士法の基本構造

行政書士法第1条の2には、次のように定められています。

「行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を作成することを業とする。」

この「他人」とは、**申請人本人(またはその法定代理人)**を指すと見解で示されています。
つまり、申請人でない第三者(例:警備会社)が、報酬を得て申請書を作成・提出することは、行政書士法で定められた独占業務を無資格で行う行為に該当する可能性が極めて高くなります。


■警備会社がやってはいけないケース(違法リスク)

実際によく見られるのが次のような流れです。

  1. 施工会社 → 警備会社に道路使用許可申請を依頼
  2. 警備会社 → 申請書を作成して警察署に提出
  3. 警備会社 → 警備料金の中に申請対応費を含めて請求

一見すると「サービスの一環」と見えますが、この時点で行政書士法違反となる可能性があります。

行政書士法施行規則第7条(名義貸しの禁止等)や第15条(不当誘致行為の禁止)にも抵触するおそれがあるため、
警備会社が「代わりに申請しておきます」と引き受けることは非常に危険です。

申請費用等をもらっていないから問題ないとの考えもありましたが、改正行政書士法施行以降は極めて高リスクになります。


■行政書士会の見解(東京都行政書士会より)

そこで、当職が東京都行政書士会へ質問したところ、有権解釈権はないが次のように思料する旨の回答をいただきました。

「行政書士は申請人本人から依頼を受け、当該業務委任契約を締結し、領収書も申請人本人に交付しなければならない。
非行政書士である仲介者が、行政書士の独占業務を含む業務全体を請け負うことはできない。」

つまり、

  • 行政書士が依頼を受ける相手は**施工会社(申請人本人)**でなければならない。
  • 警備会社→行政書士→警察署という間接的な受任スキームは、行政書士法違反となる可能性が高い。
  • 報酬や領収書の発行も、必ず申請人本人宛に行う必要がある。

とされています。


■正しい対応方法

合法的に申請代行を行うには、次のような手続きを踏むことが原則です。

手続き項目正しい方法誤った方法
委任関係申請人(施工会社)→行政書士警備会社→行政書士
契約書行政書士と施工会社間で締結警備会社と行政書士で締結
報酬の支払先施工会社が行政書士へ直接支払う警備会社が代わりに支払う
名義行政書士は施工会社の名義で申請警備会社の名義で申請

■警備会社が気をつけるべきポイント

  • 「申請代行費」を自社の請求書に含めない ※警備料金をもらっているので、それ自体でOUTとなる可能性が高い
  • 「道路使用許可もまとめてやります」と営業トークで言わない
  • 施工会社に行政書士を紹介し、行政書士と直接契約してもらう
  • 自社社員が申請書を作成・提出する行為は行わない

■まとめ:法令遵守は信頼につながる

道路使用許可申請は、行政書士法に基づく独占業務です。
行政書士以外の者がこれを代行すれば、たとえ善意でも**違法行為(無資格代行)**と見なされるおそれがあります。

警備業界は「公共の安全」に関わる業種です。
だからこそ、法令遵守と倫理的な運営が社会的信頼の基盤となります。

行政書士法違反で処分を受けたことによって、直ちに警備業法違反となる可能性は低いですが、法令順守が鉄則の警備会社が他の法令に違反するということがないように注意が必要です。したがって、適法な手続きのためには、行政書士を介して申請をするのが適切です。

警備会社様の中には、いきなり止めると仕事に支障が出るという会社様もあろうかと思います。どのように取引先に話をすべきか、どのように対応していけば影響が少ないのかなど、悩まれている会社様もあり、私自身が警備会社を経営しておりますので実態に基づいたアドバイスもさせていただいております。

遠慮なくご相談ください!


【執筆・監修】

行政書士事務所RTS(代表 行政書士 増田良和)
警備業認定・建設業許可・道路使用許可サポート専門
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増田良和
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