警備業には、警備業者としての欠格事由と、警備員としての欠格事由があります。

欠格事由に該当すると、警備業者及び警備員として活動することができないこととなります。

これらは、警備業法第三条(警備業の要件)と警備業法十四条(警備員の制限)にて決められています。

警備業者及び警備員に共通する項目として、

 1、破産手続開始の決定を受けて復権を得ないもの(以前は、成年後見人・被保佐人が入っていましたが民法改正に伴いなくなりました)

 2、禁固刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者

 3、最近五年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規定若しくは処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者

 4、集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者

 5、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律十二条若しくは第十二条の六の規定による命令又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して三年を経過しなもの

 6、アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者

 7、心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの

があります。

少々難しいので、要約すると

 ・破産者で復権を得ていない者はNG

 ・禁固刑以上(懲役含む)を受けて、刑期終了後5年を経過していない者はNG

 ・暴力団関係者などの反社会的勢力と言われる構成員や関係者はNG

 ・アルコールや薬物中毒者はNG

 ・心身の障害により仕事をしている場合でなく、治療が優先の方は

とのイメージです。

では、何故、このような規定が出来たのでしょうか?

日本で初めて警備保障会社が設立されたのは、昭和37年頃と言われています。その後、警備員の飛行その他警備業の実施に伴う違法、不当な事案が続発し、昭和47年に警備業法が施行されました。

その時に規制された内容は、警備業の届出制と警備業務の実施に当たっての義務等を中心とされる簡素なものでした。

その後、悪質・不適格業者の存在、警備員の非行の多発、警備員に対する指導及び教育の不徹底、機械警備業の発達などから、昭和57年に警備業法の改正がされました。

その時の内容は、警備業が届出制から認定制に、警備員の制限の強化、警備員の指導及び教育に関する制度の充実、機械警備業に関する規制の新設等警備業が規制されました。

つまり、この時に警備業者及び警備員に対する欠格事由(第一弾)が制限されるようになりました。

その後、欠格事由(第二弾)として、暴力団員等が不当に関与する業者の存在、障害に係る欠格条項の見直しの要請(医学発達によるもの)、変更届出手続の規制緩和要請(負担軽減)により、平成14年の警備業法改正により、警備業者等の欠格事由に暴力団と密接な関係にある者等が追加され、精神的な病気に係る自由の見直し、変更の届出手続の簡素化が行われました。

これらは、悪質な警備業者及び警備員を排除するとともに、ユーザー(お客様)を保護するために色々な規制が設けられているということが見えてきます。

法律は、何か問題が発生し、それを規制する法律がなければ制定さるという性質もあります。昔は、携帯電話が普及していませんでしたが、今はほとんどの方がスマートフォンを持っています。運転中に俗に言う「ながら運転」も以前は法律がありませんでしたが、大きな問題が発生したため法律ができました。

近年の警備業界は、ロボット技術やAI技術も進みだしています。法律にないからOKという考えは絶対にNGです。皆さんがきっかけで、新たな規制が出ることは大変不名誉なことと思います。是非とも、法令順守で展開をしていくよう前向きなに考えていく必要あります。

 

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増田良和
増田良和